空き家問題については、高齢化社会の進展や核家族化の進行で増加の一途をたどっており、
今後も空き家の数は増えていくものとされております。
増加していく空き家の中でも管理が行き届いていない空き家が、
防災、衛生、景観等の面で人々の生活環境に影響を及ぼすという社会問題が起きています。
空き家の増加は地域経済に影響を及ぼし、
空き家は個人の問題から地域で考えなければいけない問題へとなっています。
1. 空き家問題の原因
①人口減少と高齢化
日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少が続いており、
2030年には1億1913万人
2050年には1億192万人
2100年には5972万人になると言われています。
出典:「国土の長期展望」中間とりまとめ(国土交通省)
(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001377610.pdf)
高齢化率も2004年の22.1%から2030年には31.2%と急速に高齢化が進み、
生産年齢人口(15-64歳)が減少するのが今後日本で起こることです。
住宅・土地統計調査 総務省の調べで2018年の住宅ストック数(約6,200万戸)が、
総世帯(約5,400万世帯)に対し約16%多く、量的には充足している状況です。
充足していると言えばいい見方ですが、逆の見方をすると2018年時点で“家が余っている状態”になっています。
住宅ストック数は毎年15~20万戸供給されている中で、高齢化は進んでおり人口は減っている。
家は増えているが人口は減少していくと聞けば、
今後どういった状況になっていくかは目に見えているでしょう。
空き家の数自体も住宅・土地統計調査 総務省の調べで848万9千戸と2013年と比べて3.6%の増加、
空き家率は13.6%と過去最高を記録しております。
NHKの調べでは「2040年 空き家数 全国予測マップ」が発表され、
自分たちの住んでいる地域が今後どうなっていくか動向が注目されています。
②都市部への人口集中
総務省が2023年に発表した住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、
東京圏では転入者が転出者を上回る「転入超過」が12万6515人でした。
2021年はコロナ禍によるテレワーク普及などの影響で東京都への流入が減少し、転入者が少なくなっていましたが、
また都市部へと人が集まってきております。
現在の転入者は新型コロナウイルス流行前の2019年の85%まで戻っており、一極集中が再び強まっていることを示しています。
都市部への人口が集中することにより、地方の商業が縮小し、雇用もなくなり
設備も古くなりとサービスの質も低下していくことが考えられます。
実際に「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要によると
2050年までに、現在人が居住している地域の約2割が無居住化すると予測されております。
地方で人口が減り、サービスの質が低下し、また人口が減り
空き家が増えるという負の連鎖がこれからの地方では避けられない課題となっていくでしょう。
2. 空き家問題の対策
空き家の対策としては、自分の家をどうしていきたいかという思いが重要ではありますが、
パターンとしては主に下記のパターンになってくると思います。
- 空き家を賃貸で貸出す
- 空き家を売却する
- 空き家をリフォームして民泊やゲストハウス、カフェなどを運営する
- 空き家を解体し更地に →売却または駐車場、トランクルームなどでの活用
- 地域と連携しまちづくりの一環として、空き家を活用したプロジェクトに参加する
それぞれのメリットやデメリットはまた別の記事で紹介します。
空き家の活用には単純なパターンしかないと思われがちですが、そうは思いません。
日本の地方にはありとあらゆる可能性があり、その可能性を活かすものは現在空き家となっている
建物だと感じています。
それぞれの地域の特徴で賃貸の方がいいのか、ホテルが不足しているから民泊で貸し出した方がいいのか、
分析している人が少ないのが現状です。
不動産会社の人に言われたから空き家バンクに載せてるけど中々決まらないと言っている人が
多く感じます。「空き家を売りたいけど、売れない」それはそうです、
どう考えても空き家バンクに掲載されている建物の金額は高いことが多く、
市場の現状を分かっていないと感じます。
私たちはそういったお客様にしっかりとその地域の現状を理解して頂き、
将来的に周辺状況がどう変わっていくかも予測しながら、空き家の活用方法を考えていくことを
大切にしています。
地域にあった空き家の活かし方、思い出の詰まった家を新たな思いを持った方へ
より良く引き継いでいく方法を一緒に考えていきましょう!
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